筑波大学本部前の丁字路にあった枝垂桜の古木。樹齢約
80年だった。倒木の恐れが出てきたため2020(令和2)
年8月29日に伐採された。かつては大学に入学した人や赴任
した人たちの記念撮影の定番スポットとして人気があった。
ただ2000年代に入ると徐々に樹勢の衰えが見え、2007
(平成17)年に実施した調査ではバッコウダケや虫害を受け
ており、樹勢回復のための手当てを行ったほか、接ぎ木による
後継樹も残されている。
この枝垂桜は、園芸学の専門家で同大学の前身、東京教育大
学の藤井利重名誉教授が、京都大学に在職中、京都の庭師で桜
守として知られた15代佐野藤右衛門から苗木を譲り受けたも
の。藤井名誉教授は、東京教育大学のさらに前身である東京文
理科大学に赴任した際、この苗木を同大学附属保谷農場の正門
に植えた。1975(昭和50)年筑波大学の開学記念樹の一
つとして本部棟前に移植されていた。
筑波大学本部前の枝垂桜
■つくば市天王台。